こんにちは。明日もハイボールです。
きょう23日の沖縄はものすごく寒いですね。
沖縄本島北部の国頭村奥では23日午前6時52分に9.2度、渡嘉敷村渡嘉敷では午前8時23分に9.8度を観測。
いずれも今季最低気温! ついにエアコンの暖房をかけてしまいました。
寒さに慣れていないので、寒い寒い…と凍えながらネットニュースを見ていたら、沖縄出身の女優・二階堂ふみさんがテレビの企画で「方言禁止記者会見」に挑戦した企画に注目が集まっていました。
どんな企画で何が問題とされているのでしょうか。
「方言禁止記者会見」企画とは
1月18日、TBS系で放送された人気バラエティ番組「櫻井・有吉THE夜会」でのこと。
その中で、二階堂ふみさんが企画「方言禁止記者会見」に挑戦しました。
記者が二階堂さんに沖縄弁(※番組で使用)で質問。その沖縄弁のイントネーションや言葉につられることなく、方言を使わず「標準語」で答えられるのかという内容でした。
二階堂さんの企画では、司会の「はいさ~い(こんにちは)」のあいさつに始まり、
記者からは「ゆたしくうにげーさびら(よろしくお願いします)」「はっさ(わぁー)。でーじ(超)すごいさー」などの言葉が飛び交いました。
そんな問いかけに、二階堂さんは沖縄弁で返答しそうになるのを笑顔でこらえ、標準語で話している姿が放送されていました。
X(旧Twitterの声)
この放送後から、X(旧Twitter)では、脳科学者の茂木健一郎さんを含め、「方言札の再来」「沖縄差別を知らないのか」など批判の声が挙がっています。
問題は沖縄の方言をめぐる歴史
これまでにも女優の仲里依紗さんが、出身の長崎の方言で挑戦していて、
物議になるようなことはなかったようですが、
これらのX(旧Twitter)の反応から見えてくるのは、沖縄の方言をめぐる歴史です。
琉球処分以後、明治政府は沖縄の言葉
(沖縄では沖縄で使われている言葉のことを「しまくとぅば」と言います)
を使うことを禁止して、標準語を使うことを進めました。
この時、しまくとぅばを使った子供は、次にしまくとぅばを使う人が出てくるまで「方言札」を首からぶら下げる罰を受けたといいます。これは、昭和に入っても続きました。
背景には、言語統一に向けての同化圧力がありました。
方言札は、標準語の普及浸透を通じて近現代社会における一つの生き方を押しつけようとするものであり、
それにふさわしからぬ伝統的な諸慣行刷新の目論見を体現している。
仲嶺政光.“沖縄における方言札の効果――沖縄県国頭郡金武町N地区を対象としたケーススタディ――”.日本生活指導学会『生活指導研究』NO.32・2015年度
つまり、自分たちのアイデンティティの一つである言葉を、ある意味「取り上げられた」経緯がありました。
今回の「方言禁止」企画では、二階堂さんが沖縄の言葉を話したくても話すことができなかったことと、過去の「言葉を取り上げられた」歴史が重なったことで議論を呼んでいると思います。
二階堂ふみさんの姿勢から考えること
一方で、二階堂ふみさんの姿勢からは、沖縄を愛する気持ちがあふれ出ているように感じました。
「禁止」企画とはいえ、沖縄の言葉で質問をされると、沖縄の言葉でどうしても答えてしまいそうになって、我慢しきれない姿が印象的でした。
TBS広報は、J-CASTニュースの取材に
「沖縄の歴史的背景についての十分な検討ができておりませんでした。 今回の企画が差別的であるとのご指摘は、私どもとして真摯に受け止めており、今後の番組制作に活かして参ります」
と説明しています。
しまくとぅばは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が消滅の危機に瀕する言語に指定されていて、
沖縄県の調査では、しまくとぅばを使う人が10%にとどまっています。
沖縄県では「しまくとぅばの日」を制定し、日常でも使っていこうという普及への機運は高まっています。
今回の議論によって、沖縄の言葉の歴史に触れてもらえる方々が増えたと思いますし、
メディアもうちなーぐちが扱いにくいものにならず、魅力が伝わるような企画が増えてほしいものです。
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